新築一戸建てを建築する際に、コンセントの場所や数の計画には頭を悩ませることと思います。
その中で電源コンセントにも様々な種類があるのをご存知でしょうか?
今回は「差し込む」のではなくマグネット(磁石)を使って「くっ付ける」というコンセントを紹介したいと思います。
皆さんに馴染みが深いのは電気ポットやホットプレートのコードかなと思います。
と思われる方も多いことでしょう。
しかしこのマグネットコンセント、恐らく皆さんが思っている以上に便利なコンセントですよ。
実際にマグネットコンセントを使ってみて
- どんな場面で便利なのか?
- 採用して良い例と悪い例
- 埋込式と後付式の違い
などを紹介したいと思います。
特にも
- コードに足を引っ掛けやすい場所
- 頻繁に抜き差しをする場所
という場面には特にもおすすめしたいです。
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パナソニック マグネットコンセント
今回紹介しますのはパナソニックさんで取り扱っている「マグネットコンセント」です。
通常のコンセントは「差し込む」という作業になりますよね。
しかしマグネットコンセントは
あらかじめコンセントを専用のアダプタに差し込み
このコンセントのマグネットに「磁石でくっつける」事になります。
マグネットコンセントの特徴
マグネットコンセントの特徴は何よりもコンセントが抜けやすいという点にあります。
マグネットは真っ直ぐに引っ張られる力には強いのですが、縦や横からの力が加わると簡単に外れます。
つまり意図しない力がコンセントやコードに加わると、コードに力が加わる前にマグネット部分が外れてくれるのです。
マグネットコンセントのメリット
マグネットコンセントのメリットは
- コードに足を引っ掛けてもつまづかない
- コードに負担が掛からず抜き差ししやすい
という点が挙げられます。
コードに足を引っ掛けてもつまづかない
まずはマグネットコンセントの真骨頂である「コンセントが外れやすい」という事です。
横からの力が加わるとマグネットとアダプタ部分が「ポン」っと外れてくれます。
コンセントに引っかかって足がつまづくこともありません。
また引っ掛けたものがテーブルなどから落ちることもありません。
と思われるかもしれませんが、私も妻もすでに何度もコードに足を引っ掛けてその恩恵を受けております。
コードに負担が掛からず抜き差しがしやすい
またマグネットコンセントは縦横に力が加わることで簡単に外れてくれるという特徴があります。
つまりコンセントの抜き差し作業がしやすいということですね。
さらに縦横に力を加えるだけで簡単に外れてくれるのが特徴のマグネットコンセント。
コンセント位置が下の場合でも、抜き挿しの際に力を余計に入れることがないのもメリットですね。
マグネットコンセントのデメリットと対策
一方でマグネットコンセントも用途によっては使いにくい場面もあります。
- 設置場所が高い
- 使用の際に動きを伴うもの
- 電源が急に落ちて困るものはダメ
設置場所が高い
一般的なハウスメーカーさんでは、コンセントの高さはフローリングから30cm程度に設定されていることが多いと思います。
低い位置ならコードはフローリングなどに垂れるので良いのです。
しかし高い位置に設置しますと、コードの自重により縦方向に力が加わり、外れる可能性が高くなります。
高い位置に設置する際には
こちらの後付タイプを使うと良いかもしれません。
後付タイプですと差込口が斜め下方向になります。
埋め込みコンセントの横方向に比べて、下方向に対する力に強く高い位置向けかもしれません。
使用の際に動きを伴うもの
マグネットコンセントのメリットとして「頻繁に抜き差しするもの」を挙げました。
しかし掃除機など使用時に動きを伴うものは一考が必要かもしれません。
縦横の動きに対して外れやすいのが特徴のマグネットコンセント。
コードの動きに合わせて外れてしまうと、作業が円滑に進まない可能性もあるわけです。
場所を移動して使うというポイントでは抜き差しが簡単で良いのです。
しかし掃除機のコードをいつもギリギリまで伸ばして使うような方は注意が必要ですね。
余裕をもって使う際には全く問題が無いと思います。
電源が急に落ちて困るものはダメ
またマグネットコンセントは緊急時にコンセントが外れてくれるのがメリットの商品です。
その際に通電が突然に切れますので、デスクトップパソコンなど急に電源が落ちて困るような機器の接続には向いていません。
ただし、ノートパソコンなど電源が外れてもバッテリー駆動が出来るものは全く問題がありません。
ダイニングテーブルなどでノートパソコンを使う際に、電源コードを這わせる場合などにはとても良いでしょう。
また調理器具などのタイマー機能を使う機器にも注意が必要ですね。
マグネットコンセントのおすすめ設置例
それではマグネットコンセントの設置をおすすめしたい場所を紹介しましょう。
ダイニングテーブルなど作業エリアの周り
ダイニングテーブルを代表とするテーブルでは様々な電気機器を使うことと思います。
- ホットプレート
- 卓上IH
- ノートパソコン
などなど、作業エリアとしてダイニングテーブルなどを使う方も多いことでしょう。
このような場所は間取り設計時にコンセント計画をすることと思います。
ダイニングテーブルの真下にこのような床用コンセントなどを配置するのも良いですよね。
しかし我が家で建築をした一条工務店などは床暖房が配置されているので、このような床用コンセントは取付け出来ません。
多くの場合はダイニングテーブルから近くの壁へと電源ケーブルが伸びることと思います。
このように動線を遮るようにケーブルが伸びる場合には、マグネットコンセントの本領が発揮される事でしょう。
その際のポイントは出来るだけ複数のコンセントを配置すること。
テーブルの上ではどの場所に電気機器を置き、どの向きに配線が出るか分かりません。
スマートフォンなどの充電ケーブル
指定場所で充電する以外にも何かと充電の機会が増えそうなスマートフォンやタブレット。
定位置はあるものの、ソファなどの近くで充電をするような場面もあるのではないでしょうか?
その際にケーブルを持ち歩いて移動する際に、このマグネットコンセントは
- 抜き差しがしやすく
- 動線を跨いでも心配がない
というメリットを最大限に活かせそうです。
間取り計画でベッドやお布団の近くにコンセントを配置できていればよいのです。
しかしどうしても配線が動線を塞いでいる方もいらっしゃいますよね。
寝室の場合は部屋が暗いときに移動する事も十分に考えられます。
マグネットコンセントは埋め込みか後付け
マグネットコンセントは大きく分けて2種類あります。
- 壁内埋め込み式のコンセント
- 後付タイプのコンセント
壁内埋込式のマグネットコンセント
壁内埋込式のコンセントは壁に対して垂直にアダプタを設置するのが特徴です。
埋込式なのでアダプタを取り外した状態では全く出っ張りなどもありません。
新築時に設計をするならこの埋込み式のコンセントがおすすめです。
マグネットコンセントだけでなく通常のコンセントも1口付いています。
後付のマグネットコンセント
一方でこちらは既存のコンセントにマグネットタップを取り付けるタイプになります。
埋込式が壁に対して垂直なのに対して、こちらは斜め下方向にアダプタが取付けられます。
こちらはマグネットタップとアダプタがセットのタイプ。
気軽にマグネットコンセントを使用するならこちらのタイプが良いでしょう。
ただしアダプタが斜め下方向なので、取り付ける際に下方向からアクセスする必要がある点には注意が必要ですね。
アダプタは追加購入で流用可能
ここまで紹介しましたマグネットコンセントのアダプタ。
こちらはアダプタだけ個別に購入が可能です。
マグネットコンセントを使用するケーブルにあらかじめこのアダプタを取付けておけば、使用場所が変わったとしてもすぐに使用することが可能です。
マグネットコンセントのまとめ
マグネットコンセントは家づくりにおいて「必須」なコンセントではありません。
毎日の生活動線にコードが伸びている時には気をつければ済む話です。
しかし気をつけていても引っ掛けてしまうのも事実。
- 子供やお年寄りが居るご家庭
- ダイニングテーブル直近にコンセントが無いご家庭
- 生活の中でコードをまたぐ可能性があるご家庭
などはマグネットコンセントの採用をおすすめします。
既に家を建築された方はまず後付マグネットコンセントを取り付けてみては如何でしょうか?
その中で使いやすいなと思われたら、埋込みタイプの導入を考えられては如何でしょうか?
電気工事士の資格が必要なので、ハウスメーカーさんなどに依頼すると取付けてくれるかと思います。
そして使う電気機器が増えてきたらアダプタを追加すると良いでしょう。