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打ち合わせ中の方に見て欲しい、床暖エリア設定の考察。




我が家の27坪の平屋では部屋の数も少なく、エリア分けにはあまり拘りが無かったというか気にしないで設定をしました。

住んでみて思うことは、一条工務店の高気密高断熱住宅というのは本当に今までの日本家屋とは別物だということです。そしてマンションなどでは高断熱高断熱の部屋もあると思いますが、これが一軒家となると管理の仕方がまた別物になってきそうです。

床暖は確かに冬季の快適さが格別なのですが、それでも設定次第で寒さを感じることになります。その寒さというのは家の中での温度差が原因となります。

その温度差を無くすために必要なエリア設定。実際に暮らしてみて気づいた点から、部屋数が多くエリア分けに迷いそうな方へのアドバイスとしてこの記事を書いてみようと思います。

床暖による部屋の暖かさは日差しによる所が大きいと考える

床暖の設定温度により部屋が温まるのは基本なんですが、窓からの陽当りの有無が室温に及ぼす影響は結構大きいと感じています。この辺の考察についてはこちらの記事をご覧頂けますと嬉しいです。

https://www.maboko.net/floorheating-02/

陽当りの良い場所が暖かくなるのはもちろんなのですが、陽当りの悪い場所の部屋は予想よりも室温が上がらなく寒く感じます。ここを改善しないと家全体の室温に差が出来て体感的に寒く感じます。かなり大胆な設定が必要かなと思うわけです。

これから床暖エリア分けをする方へのアドバイス

北東側と南西側でのエリア分けを

一般的に2階建ての方は1階に玄関エリア・リビング・ダイニング・洗面など水回りのような設定を。2階は主寝室+子供部屋など各部屋をエリア分けされる方が多いと思います。しかし暮らしてみると部屋ごとの室温の設定に関しては部屋の名称毎に分けるのではなく、陽当りの有無を考えて分けることも合わせて考えて頂ければと思います。

特にも部屋数が多く設定エリアが足りない場合などに、子供部屋などが南北に分かれている部屋を1エリアとして設定すると一方は寒く一方は暖かくなりチグハグさが出てしまうと思います。そのような場合には北側の陽当りが悪い部屋群と南側の陽当りが良い部屋群で分けたほうが良いと考えます。

加えて畳があったりする部屋に関してもエリアを分けることをお薦めしたいです。床暖対応とはいえ、やはり床面を遮蔽するものの存在は多少なりとも影響がありそうだなと感じます。

もちろん方位だけでなく周りの環境による陽当りもあると思いますが、一般的に日当たりが良い南西側と陽当りの悪い北東側の部屋はエリアを一緒にせず分けることをお薦めしたいです。

階段からの冷気に対する対策

2階全体を暖める必要があるのは大前提として、階段を上がった2階廊下などもコールドドラフトが発生す原因だと思います。2階ホール付近が広い方は個別に床暖設定をするのも良いかもしれませんね。または隣接する北側のお部屋とエリアを一緒にするなども良いかもしれません。

階段には床暖房が設置されずにどうしても周りに比べて温度が上がりにくいと思うんです。そういう意味でフエッピーさんの設置した2階ホールのエアコンの位置は理にかなっているんだなと思うわけです。

http://ameblo.jp/auckland5go/entry-12249025303.html

家の南側はどうしても1階部分の陽当りを考えて居室を配置しやすく、階段は比較的陽当りの良くない場所に配置されることも多いかと思います。しかし冬に日差しを取り入れられる南側や西側に階段を設置すると、昼間に陽射しを取り込むことにより2階からの冷気をあまり感じずに済むのかな?と考えたりします。陽射しを天然の暖房として使う案ですね。

でもハニカムを電動化したりとそれ相応の対策は必要になってきますね。我が家は平屋なので机上の空論ではあります。

同一の部屋内ではエリアを分けないほうが良いかも

こちらも個人的な意見になります。我が家のLDKは約23畳ありましてキッチンダイニング・リビングとしてエリアが分かれています。このエリアは個人的に分ける必要は無かったかなと思っています。

一つ目の理由としては、同じ部屋内で温度設定を変えても同じ部屋であるだけにエリアによる室温の違いはまず出ないということです。床暖を稼働するかしないかの時期に片一方だけを稼働することにより微調整する事も出来るかもしれませんが、個人的には片一方だけ床暖を稼働するような状況では無駄な熱量を使うような気がしまして、そんな状況であればもう床暖を切って補助暖房としてエアコンを使用した方が良いと感じます。

二つ目の理由としてはエリアが別れることにより床暖がほぼ効いていない周りに比べて冷たく感じる床が出来てしまうことです。

床暖エリアを分割することによる弊害

こちらは一般的に手に入る図面ではないと思いますが、我が家の床暖ホースの配置図になります。

例えばですがLDKのこのリビングとキッチンはエリア分けをしている事によりホースの配管配列によりパネルが別になることで床暖ホースが無い部分が出来ます。

同じく子供部屋でも同じ部屋内ではありますがWICとの間にもホースが配管されていない場所ががあります。ここは通常は三枚扉が閉まっている前提なのでしょうが我が家では開けっ放しで使っていますので普段からの生活空間になります。

この室内のフローリングなどの床面の表面温度を測るとこのようになるんです。ちなみに計測機器はこんな物を使用しています。

http://www.shinwasokutei.co.jp/products/73010/

床暖の設定温度が違いますのでもちろん差が有るわけですが、とくにも床の冷たさを感じるのはLDKの境目の部分です。これは入居後に妻が指摘した件でした。昼間から家にずっと居る妻から「なんかここの床だけ冷たい気がするんだけど床暖切れてない?」と聞かれて初めて気づきました。

子供部屋に関してはほぼ全てタイルカーペット敷になっているのでフローリング部分に足を置くことが少なく不思議と気になりません。主寝室に関してもほぼ寝るときにしか入らない事とフローリングではなく布団や畳が敷いてあることであまり冷たさを感じることはありません。

しかしLDKの境目だけは周りのフローリングとの違いがはっきり分かります。スリッパを履いて過ごす方には関係ない話ですが、我が家のように素足で過ごすと分かるんですよね。とくにも1月の冷え込んだ時期にはその差を顕著に感じました。あの時期に温度差を計測記録しておけば良かったです。私の計測時には温度差は1℃でしたが、もっと温度差があったと思います。

誤解しないで頂きたいのは、決して冷たい!とう事ではありません。あくまで周りに比べてちょっと冷たく感じるだけなのですが、やはり「温度差」として感じる気になってしまう点です。普段から生活動線の中で往来する場所だから余計に気になるんですよね。気にならない人には全く関係のない話だと思うのですがある意味鈍感な妻が気づく位だったので。。。

そんな事から特にもLDKのような広い空間として設計された部屋ではむやみにエリアを分けない方が良いのではないかなと思うわけです。床暖の温度設定を同じにすれば良いことじゃないか?気にすること無いかな?っと私も思っていたのですがこんな弊害もあった訳です。

※エリアを分けなければ床暖ホースが繋がって施工されるのではないかと勝手に思っているだけで実際にどうなるかの確証がないので気にする方はしっかり設計さんに確認を取ることをお勧めします。

掃き出し窓は最低限にしたい

放射温度計を使って床面の表面温度を測ってみると、やはり掃き出し窓付近の冷たさに気付かされます。

こちらの掃き出し窓の部分ですね。やはり窓際とあって床面の表面温度がかなり下がります。この温度を測定した日は外気温が8℃程ある日でしたが、真冬の気温がマイナスになるような日だともっと冷え込みます。さすがトリプルサッシといえどもこれはしょうが無いことです。しかし我が家ではあまりここの冷たさを感じることはありませんです。

畳コーナーとタイルカーペットの恩恵

我が家の掃き出し窓は畳コーナーとタイルカーペットに接しておりますのでフローリング部分というのは少ないです。

もちろん床面の温度としては周りの22℃と比べて20℃と低いのですが、やはり畳とカーペットというのは表面温度よりも「冷たさ」を感じないものです。ちなみに掃き出し窓の白い部分は軒並み16度とかなので十分冷たいです。しかしながらここに足を踏み入れることはほとんどないので気にはなりません。

とはいえ、吐き出し窓がコールドドラフトを発生させる原因であることには代わりがありません。幸いにもこの掃き出し窓は我が家でも一番陽当りが良い場所であり、午後のポカポカ陽気の時に床面の表面温度を計測するともっと暖かいと思います。

しかし、家の北側や陽当りの悪い場所に配置された和室などに掃き出し窓を設置すると結構な寒さを感じるのではないかと思います。「見た目」や「開放感」も間取り検討には大事な要因です。本当に出入りの必要がある窓なら仕方がないのです。それを踏まえても実際に住んでみて気になりそうな弊害も有ることを分かって計画をして頂きたいなと思うんです。

玄関ホールもやはり冷たい

玄関土間やホールももちろん冷えます。土間部分には床暖が入っていないのでもちろん冷たいのですが、框もギリギリまでパネルが入っている訳ではないので温まりません。

この玄関ホールは床暖設定をLDKに比べて4℃ほど高めに設定しているので床面の温度は高くなっても良いはずなのですが、これでもやっとLDKと同じ22℃を確保しています。

もちろん框に向かって段階的に冷たくなるのですが、普段の動線としてはLDK⇔子供部屋なので床框に近い部分を歩くことは少ないので床面の冷たさはあまり気になりません。框付近まで行く時にはほとんどがお出掛けするときなので、その時は靴下を履いていることが多いので気にはなりません。

土間の温度は我が家で計測時は16℃でしたが、真冬などに玄関ドアからの冷気が入り込んでいるともっと床面温度は下がっていることと思います。土間部分は良くも悪くもタイルの温度変化が少なそうなので冷たい原因が居座っている状況ですよね。そういう意味でもやっぱり玄関ドアの断熱って重要だと思います。

デザインなどの好みはあるかと思いますが、その中でも「断熱性能」の良いものから気に入ったデザインを選べると良いなと思います。

土間暖房もタイルが温まるまでは大変ですが一度温まってくれると逆に温度低下が少なく推移できるのかな?と記事を書きながら思ったのですが、こればかりは検証のしようがないです。すみません。

まとめ

床暖の温度設定に関しては諸説ありの各家庭の条件も違いので、沢山の方が記事にしながら各家庭のベストな設定を模索されていることと思います。しかしながらエリア設定に関してはあまり詳しく突っ込んだ話題を聞かなかったように思います。

今回の記事では「家中の室温を出来るだけ一定にする」ことを目的に室温が上がりにくい「陽当りが悪い部屋」の室温を上げられるようにエリア設定を見直す事を提案させて頂きました。間取り設計段階から想像することが大変かもしれませんが、冬の過ごしやすさに直結する部分かと思いますので打ち合わせ中の方は是非とも一考していただければと思います。

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まぼこmaboko
福島県で2016年に一条工務店で新築を建てました。 家づくりに関わった時に身に着けた知識を皆さんにお伝えします。全館冷房や全館床暖房の暮らし方など、多数の間取り相談に応じています。

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