トリプル樹脂サッシと比較してブラインド内蔵サッシはどれだけ寒いか?

高性能サッシとしてハウスメーカーさん各社で採用が進んでいるトリプル樹脂サッシ。
我が家を建築した一条工務店でもトリプル樹脂サッシが標準採用されています。
一方でお風呂やキッチンの窓などに「ブラインド内蔵サッシ」を採用される方も多いと思います。
一条工務店さんではブラインド内蔵サッシにする事でオプション料金が掛かるわけではありません。
なので浴室やキッチン近辺の小窓をこのブラインド内蔵サッシで提案される方も多いと思います。
しかしこのブラインド内蔵サッシ。
高性能と言われるトリプル樹脂サッシに比べて大きく断熱性が落ちることをご存知でしょうか?
今回はほぼ同じ条件で2つのサッシを設置した場合に、室内の表面温度にどれだけの差ができるのかを計測してきました。

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トリプル樹脂サッシとブラインド内蔵サッシ
一条工務店さんでは一部を除き高性能のトリプル樹脂サッシが標準採用されています。
他社さんで採用しようと思うと結構なオプション料金を支払う必要がある高性能サッシです。
以前まではペアガラスが採用されていましたが、現在はさらに高性能のトリプル樹脂サッシに変更になっています。
一方で一条工務店さんでは、このようなブラインド内蔵サッシもアピールされる事が多いと思います。

参照:一条工務店
ガラスとガラスの間にブラインドを内蔵することにより
- 磁石の操作でブラインドを動かす
- ガラス内部にあるので汚れず掃除の手間がない
という点からも特にも湿気や脂分を含み汚れやすく掃除の大変な
- お風呂の窓
- キッチンやカップボードの小窓
などに提案される事が多いと思います。
一条工務店さんで打ち合わせをする際に、最初に出てくる図面の多くで「お風呂」と「カップボード」の窓はブラインド内蔵サッシにて提案される事が多いと思います。

ブラインド内蔵サッシとトリプル樹脂サッシの見分け方
一条工務店で打ち合わせを始める方が、図面上でこの冊子タイプの違いを見分けるのは難しいことではありません。

このようにブラインド内蔵タイプの窓には(B)という表記があります。

もし変更をお願いして図面に反映されたとしても注意が必要です。
図面が新しくなると何故か窓のタイプが変更になっていることがよくあります。
これは図面を再作成するのがフィリピンのHRDであり、設計さんや営業さんが変更している訳ではないからと聞いています。
新しい図面が届く度に設計さんや営業さんはすべての項目をチェックできる訳ではありません。
打ち合わせが終わり新しい図面が届く度に、面倒でもすべての表記を再チェックする必要があります。

ブラインド内蔵サッシとトリプル樹脂サッシは性能差が歴然
さて、このブラインド内蔵サッシとトリプル樹脂サッシの性能は大きく変わってきます。
こちら一条工務店さんのサイトでも紹介されています。
一般的なアルミサッシの約5倍の断熱効果を持つ高性能樹脂サッシ
というようにトリプル樹脂サッシの断熱性の高さを紹介しています。
一方で比較対象にされている従来のペアガラスサッシこそこのブラインド内蔵サッシになるわけです。
ここで紹介されている「ペアガラスアルミサッシ」が「ブラインド内蔵サッシ」と全く同性能であるかは分かりません。
しかしトリプル樹脂サッシに比べて
- 断熱性能が悪く
- 外気によって冷えやすく
- 結露も大幅に発生しやすい
という残念性能である点は間違いない事実です。

2つのサッシの表面温度を計測してみる
難しい数値を並べるよりも、実際に同条件で計測した2つのサッシの違いを見ていただくのが早いと思います。
ほぼ同条件で設置された2つのサッシの表面温度にはどれだけの差ができるでしょうか?
実は我が家にはブラインド内蔵サッシがありません。
また私の住んでいる福島県には計測時にトリプル樹脂サッシを搭載した展示場もありませんでした。
よってお隣の山形県米沢市に出来た米沢展示場にお伺いして計測をしてきました。
使った機器は毎度お馴染みのこちらの放射温度計です。
米沢展示場では、一般的に間取り配置される事が多い家の北側に「浴室」と「トイレ」が並んでいる間取りになっています。
- 浴室→ブラインド内蔵サッシ
- トイレ→トリプル樹脂サッシ
- 北側なので日当たりの影響をあまり受けない
という一般的に多そうな条件で表面温度にはどれだけの差が出来たのでしょうか?
このように「樹脂サッシ」部分と「ガラス表面」部分を見ても、大まかに2~3℃程度の表面温度の違いが確認できました。
表面温度にこれだけ温度差があると確実に
- 冷えやすく
- 結露しやすい
という事になります。

窓の表面が冷える=冷気の流れの元になる

一条工務店のお風呂は床暖房が入っているので、一般的なお風呂よりも床などは格段に冷たさを感じません。

しかし局所的な寒さを感じることになるブラインド内蔵サッシから発せられる冷気は、「コールドドラフト」という冷気の流れを生み出すことになります。
一方で「浴室」という限られたスペース。
実際にはお風呂の窓の大きさは間取り(お風呂の向きなど)によって変わります。
間取りによっては大開口の大きな窓を設置される方もいらっしゃることでしょう。
ただでさえ裸になって寒さを感じるお風呂です。

ブラインド内蔵サッシは基本的に採用しないほうが良い
全館床暖房という家中が暖かい一条工務店さんの冬の暮らし。
その家の中で寒さを感じる場所は限られてきます。
- 玄関ホールなど
- 床暖房が入らない階段など
- 壁に比べて断熱性能が落ちる窓
などが挙げられるわけです。
特にも家の中で多く配置される窓に関しては、冬の暮らしにおいて寒さを感じる大きな原因になります。
ブラインド内蔵サッシはまだ窓がペアガラス時代の夢の家時代からある旧式のサッシです。
性能が進化したトリプル樹脂サッシがある今の時代にはロースペックと言わざるをえません。
ただでさえ寒くなる窓をわざわざグレードダウンしてブラインド内蔵にするなんて、性能面だけを考えると本当に意味がない事です。
一方でお風呂などの場合はかすみガラスにしても見え方が気になるという方も多いと思います。
これは「お風呂の間取り」と「窓の配置」と「窓の大きさ」によって見え方が変わるのではないか?と考えております。
こちらに関してはまた別の記事を書きたいなと思います。
