間取り紹介#23 造作押入の作り方



今回は造作押入を作るまでの過程を一条さんの押入のルールを確認しながら紹介したいと思います。取り急ぎシリーズ物なので前回の記事はこちらをご覧下さい。

収納に係るルール確認

クローゼットに関わるルール

  • システムクローゼットは施工面積6坪につき1ユニットが標準
  • システムクローゼットは工場でユニットとして作成された後に現場に運ばれて来るので、細かい施工やコンセントの設置などが不可能
  • 扉は折戸であり、左右固定された場所もなくフレキシブルに移動が可能

押入に関わるルール

  • 押入は個数制限無く設置が可能
  • 押入れ造作は現場で大工さんが行うので細かい指定が可能
  • コンセントや照明の配置も可能
  • 現在は押入の中の壁や天井にはクロスが貼られる(基本的に指定クロス)
  • 床面は桐の無垢材仕上げ
    フローリングやクッションフロアを貼ることも出来るが、床材の厚さの分だけ手前のフローリングなどとの段差が出来るコメントにて情報を頂きました。床材を変更しても段差などは出来ないそうです。折戸や観音開きだと押入のある部屋と床材がひと続きになるのかな?我が家のように引き戸の場合はレールがつきます。
    →押入で扉なしを選択することにより、階段下収納と同じようにフローリングやクッションフロアが標準で施工されます。
    →扉無しの場合には扉の建具の出っ張りが無いので押入の両サイドは完全にフラットになります。

押入の表に出てこない裏ルール

  • 押入れ内の棚板の高さだけでなく、位置関係も図面の段階で施工指示をすると変更が可能である。
    →こちらは仕様書にも各棚の高さ変更が可能ですと書いてあります。
  • 支給された棚板などの部材を削って減らす分には問題がない。
  • 支給された部材で足りないものがある際は追加料金の可能性があるが、材料を手配さえすれば大工さんが造作してくれる。
  • これらの作業は設計さんから大工さんへの「施工指示」であるので、施工連絡票への記載が必要であるが稟議などの作業は全く必要ない

私が確認を取れずに終わってしまったこと

  • 他の押入で取り寄せた部材を別の押入に流用できるのか?
  • 棚板を追加で手配した場合の目安の料金

特にも押し入れ間の棚板の部材移動が出来ると設計時の幅が広がるんですよね。もしかしたら一条ハウスの中で一番自分好みにカスタマイズ出来るのは押入なのではないかなと思うほどです。

まずは図面から基本的な説明

先程のルール確認をちょっと図面を見ながら説明してみます。

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こちら一般的に使われる押入Aです。下段の棚板に上段はハンガーパイプ付きの棚ですね。一番用途の広い押入だと思います。

私の説明でいうと、上段にある奥行17.5セントの棚板+ハンガーパイプと下段にある奥行60の棚板は、上下を逆にすることも出来るし、幅や棚板の奥行きを減らすことだって可能なのです。

造作押入Mができるまでの工程

基本部材の確保

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まずは図面上にこのような幅180奥行60の押入Aを記載してもらって部材を確保します。ちなみに青い線が入った上の物がハンガーパイプ付きの棚です。

棚の上下を入れ替える

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次に棚板の上下を入れ替えて高さ調節をします。ちなみに上段の棚板は奥行きが深いのでこの場合引き戸が邪魔で出し入れが大変です。よって奥行を60センチから30センチに削ってもらっています。

棚板のカット

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下段のハンガーパイプ付きの棚を半分にカットしてもらいます。支給された部材を減らすのは問題ありません。

腰壁の設置

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ここがこの押入の肝です。押入のど真ん中に腰壁を設置してもらいます。この腰壁は耐力などには全く関係ない造作壁であり、腰壁というだけあって腰ぐらいの高さまでは料金がかかりません。一般的に吹き抜け2階の廊下などにH1100などで腰壁を作る方が多いですよね。

この場合は腰壁と言うにはちょっと高いのですが追加料金無しで作業してくれました。

※追記
この記事を見てi-smartの方が腰壁を天井まで立てようと思ったら追加料金が出てしまったようです。この部材代に関しては地域差がある件かもしれないので、予め設計さんに聞いてみて下さい。

付属品を取り付けて完成

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その後に腰壁の左側には自在棚を設置。棚板や腰壁には配線を引き回せるように開口部を開けて貰っています。コンセントや情報ボックスを設置しまして造作押入Mの完成となります。

腰壁の設置で全ての希望が叶った。

今回の造作押入Mのポイントはなんと言っても真ん中に立てた腰壁ですね。これが出来ることを設計さんに確認が取れた時には嬉しくて寝れなかった覚えがあります。

腰壁を設置することにより可能になったこと

  • 左側→自在棚を仕込んで小物などを収納できる押入部分
  • 右側→マキタ掃除機やクイックルワイパーなどの掃除グッズを吊り下げる収納。下段には棚などを置くことも出来ます。
  • 上段→横に長いものを置くことが出来るスペース
  • 扉部分→引き戸なので片側を開けると腰壁部分が壁のようになって1マスの押入のような形になること。引き戸なので扉を開けっ放しにしていても部屋に出っ張る部分が無く違和感がない。
  • 腰壁が上まで伸びていない→押入の上部中心位置に設置したダウンライトの配光が左右の収納スペース両方に届く。
    ※位置関係によって影になる部分は出来ますが、サブ照明として物を探す分には問題がない

1つの押入では出来ない自在棚収納と長いものを吊るせる収納と横長のものを置く収納が1つの収納で両立することが出来ました。

誰でも作れる造作押入

このように、押入の基本さえ分かっていてそこに入れる物がある程度決まっているのならば、予め設計することによりかなり自由に設計が可能かと思います。

  • 腰壁を真ん中に立てて自在棚を左右に設置しオール本棚にする。
  • 扉で隠せるパソコンスペースとして活用する

使い方は人それぞれです。設計時には色々な事の確認作業があって頭が回らずに、安易にシステムクローゼットなどを設置しておけばいいや!ってなりがちですけど、長い期間住むことになる家です。収納するものの変遷などによって対応が可能なように初期投資として造作押入を作ってみるのも良いのかなと思います。

次回は造作押入Mの詳しい仕様を紹介したいと思います。

間取り紹介はこちらからご覧頂けます。