【一条工務店】エアコンは冷房・ドライと温度設定で消費電力がどれだけ変わるのか?



我が家では一条工務店さんで建築される方のほとんどが採用されると思われる床暖房システムに付属したRayエアコン1台のみを使い24時間全館冷房を実践してきました。

こちらのRayエアコンを使っての24時間全館冷房を実現するまでの記録はこちらにまとめてあります。

最近はZEH対応のお宅なども増えていますのでRayエアコンが設置されていない方も多いと思いますが、全体からするとまだまだRayエアコンの方が多いと思います。

今回はこのRayエアコンにて24時間全館冷房をするにあたり、設定によって消費電力がどれだけ変わるのかをワットチェッカーを使って調べた結果でお伝えしたいなと思います。

再熱除湿機能とは?

エアコンのドライ機能に「再熱除湿」と呼ばれる方式を使っている機種は実はそう多くありません。

一条工務店さんでオプション採用などできる機種に「再熱除湿」機能を有しているものは1機種も無いようですね。
※平成29年9月現在

全館冷房は家全体を「冷やす」のではなく「除湿」することが目的です。その為に再熱除湿機能が無い機種での全館冷房はかなり大変な作業になると思います。

厳しいというか採用できる期間が短すぎるといいますか。

そんな中で一条工務店さんで建築される方の多くが採用される床暖房に付属してくるRayエアコンは、ドライモードに「再熱除湿」方式を採用している貴重なエアコンなんです。

エアコンから出てくる除湿された冷気を暖めてから排出するために風が冷たくないという優れた方式になります。

その代わりに冷たい空気を暖めないといけないので余計に電力を消費します。

ちなみに再熱除湿方式を採用しているエアコンについてはフエッピーさんがまとめられた記事がありますのでこちらをご覧ください。

というか、一条工務店の家ではもう再熱除湿対応以外のエアコンは選ばないで欲しいと声を大きくして言いたいです。

冷房は温度設定が低いほうが消費電力が高い。

冷房に関しては消費電力のみを考えると、皆さんが一般的にご存知の通り設定温度を下げるほど消費電力が増えます。

まずは単純に設定温度を下げると除湿のために使う消費電力が増えるからです。

さらに室温が設定温度に達したとエアコン本体が認識すると自動的に「送風モード」になり、一般的な扇風機ほどの電力しか消費しなくなります。

また一条工務店のような性能の良い高気密高断熱住宅においてはエアコンの性能以上に室温はどんどん下がりますからあっという間に「送風モード」になるので電力消費が減りますよね。

その代わり送風中は除湿どころか逆に加湿してる状態になるのでかなり不快になりますけどね。

この送風モードになるタイミングが温度設定が高いほど早いために結果的に電力消費が少なくなるのかなとも思います。

再熱除湿ドライで消費電力が高いのはどっち?

それでは再熱除湿方式のドライ運転では冷房と同じように設定温度が低いほうが電力消費が多いのでしょうか?

これは私がずっと疑問に思っていたことでした。

先ほどお見せしました再熱除湿の説明にもありますように、この方式では冷えた空気を再度温める作業があります。

通常暖める作業に掛かる電力消費の方が大きいことが一般的です。

つまり再熱除湿方式のドライ運転に関しては冷房とは逆に設定温度が低いほうが電力消費が少なく済むのではないか?と考えていました。

そんな疑問をぶつけた際に救いの手を差し伸べてくださったのはまたしてもフエッピーさんでした。

ワットチェッカー EC-200

今回このワットチェッカーをフエッピーさんより提供頂きまして、Rayエアコンの消費電力を計測する大役を預かりました。

Rayエアコンは200Vなので使用できるワットチェッカーが限られるんですよね。

これを使って我が家でRayエアコンを使って行っている24時間全館冷房における様々な場合の消費電力を計測してみようと思います。

ワットチェッカーを使う前には一条工務店の太陽光発電アプリを見ることで、自分なりにおおよそ掛かっていそうな消費電力を把握していました。

  • 冷房 23℃ 風量:弱 → 200W
  • ドライ24℃ 風量:自動 → 300W

おおよそこんな程度の消費電力かなと考えていました。それでは実際の消費電力はどうだったでしょうか

今回の測定についてのお断り

我が家では先程紹介しましたEC-200というワットチェッカーを使用して消費電力を目視にて確認しました。しかしながら

  • エアコン設定を変更しても挙動が安定するまでに時間がかかる
  • 外気温や室温・湿度などの条件が一定でない
  • ある程度の期間のログを取ったわけではない

などの理由からデータの正確性には疑問が残る內容だと思います。

エアコンはずっと同じ挙動をするわけではありません。積極的に除湿をするために電力を多く消費する時とそれなりの除湿量で稼働している安定期とサーモオフにて送風状態を繰り返しているイメージで考えて下さい。

その状態を全て均一に計測することは私ではちょっと難しいです。

しかしながら様々な条件での消費電力を記録する中で自分なりに中央値といいますか、このぐらいの消費をしている事が多いなというポイントから紹介をしたいと思います。

冷房 23℃ 風量:弱

まずは我が家での全館冷房時の標準設定での消費電力を計測してみましょう。

この写真は一般的な稼働時のものですが

  • 安定時 160W~180W
  • 除湿時 200W~250W

おおむねこのような消費電力になっていました。

エアコンから出る冷気は15.9℃と風を直接浴びると寒くて心地の良くない冷気だと思います。しかし外気温が28度を超えるような真夏の場合はこの位の温度の風が排出されないと家全体を1台のエアコンで冷やすことは出来ません。

そして一条工務店の太陽光発電アプリから消費電力を探る中で考えていた200Wという消費電力にかなり近い数値で推移していました。

それではここでの消費電力を目安に考えた上で再熱除湿方式のドライ運転の消費電力をみてみましょう。

計測にあたり風量設定は弱運転に固定しております。我が家の全館冷房記録においてドライ運転時には風量を自動にしておりましたが、現在は風量弱固定にて稼働しております。

再熱除湿ドライ 24℃ 風量:弱

それでは再熱除湿ドライの24℃設定という我が家でも一般的に使っていた温度設定ではどうなっていたでしょうか?

この写真撮影時におけるエアコンの状態は

  • 消費電力 326W
  • 絶対湿度 10.3g/㎥
  • 温度   22.7℃

となっています。実際にエアコンの挙動を見ていると

  • 消費電力 280W~320W

で推移していることが多いように思いました。

出来るだけ条件を揃えるためにエアコンから出てくる風の絶対湿度が概ね同じぐらいになるときで比べてみようと思います。

再熱除湿ドライ 22℃ 風量:弱

それでは設定温度を22℃に下げてみようと思います。

この写真撮影時におけるエアコンの状態は

  • 消費電力 294W
  • 絶対湿度 10.0g/㎥
  • 温度   21.0℃

ご覧のように消費電力が減り、設定温度を下げている分だけエアコンから出てくる風の温度は下がっています。

実際にエアコンの挙動を見ていると

  • 250W~300W

の間での稼働が多いです。300Wを超える事が少なくなり、明らかに設定温度を下げたことにより消費電力が減っているように感じます。

再熱除湿ドライ 28℃ 風量:弱

それでは設定温度を一気に28℃まで上げてみるとどうなるでしょうか?

この写真撮影時におけるエアコンの状態は

  • 消費電力 331W
  • 絶対湿度 10.6g/㎥
  • 温度   23.6℃

という事で、やはり設定温度を上げると消費電力が増えエアコンから出てくる風の温度も上がっています。

実際にエアコンの挙動を見ていると

  • 300W~400W

での稼働が多かったです。この温度設定の場合かなり消費電力が高い時が見られました。

設定温度が低いほうが電気代が安い?

ここまでの測定結果から、Rayエアコンを用いた再熱除湿方式のドライ運転の場合は設定温度が低いほうが消費電力が少なく済みそうです。

しかしながらどうでしょうか。

  • 22℃設定 250W~300W
  • 24℃設定 280W~320W
  • 28℃設定 300W~400W

この消費電力の範囲はあくまで私が目視していた中でのおおまかな消費電力ですが、実際に出ている風の質を考えると

  • 22℃設定 10.0g/㎥ 21.0℃
  • 24℃設定 10.3g/㎥ 22.7℃
  • 28℃設定 10.6g/㎥ 23.6℃

という風に、温度設定なりの変化は見られますが実のところあまり風の質に変わりがないような気がしてきます。

これならば再熱除湿のドライ運転の場合は黙って消費電力の低い22℃設定を基本にしたほうが良さそうに感じます。

特にも数時間程度で室内を除湿する場合においては設定温度が低いほうが良さそうです。

一方で設定温度が高いとサーモオフ状態になることも多いので、長期的にドライ運転にて稼働するなら消費電力的にはあまり変わらなくなるのでしょうか?

ある程度サーモオフしてもドライ運転稼働時には除湿がどんどん進むので結果的に湿度を維持出来れば良いのかなと思います。

しかしなぜこのようにあまり違いが出てこなかったのでしょうか?そのヒントはフエッピーさんが教えてくれました。

この再熱除湿の測定結果が傾向として上手く捉えられていないなと感じ、フエッピーさんに相談した時にアドバイスを頂いた事がありました。

設定温度の高い再熱除湿の場合はヒーター分の消費電力が増えますが、温度の高い空気は露点が高いので除湿量も増えますから、その分の冷房の消費電力が減るはずです。設定温度の低い再熱はヒーター分の消費電力は少ないですが、露点が低くなるためたくさん除湿するためにアルミフィンをもっと冷やすための消費電力が増えるはすです。

つまり、簡単に言うと多分こういう事です。

  • 除湿をするために掛かる消費電力は設定温度が低いほうが大きい。
  • 空気を温める為に掛かる消費電力は設定温度が高いほうが大きい。

このように相反する電力の使い方の違いにより、単純な冷房とは違い温度設定による消費電力の違いが少ないのではないか?と考えました。

みんな大好き 冷房28℃ 風量自動設定は?

ちなみにですね。全館冷房ということでよく目にする冷房28℃で風量自動設定の時にどのような消費電力になっているかを同じように調べてみました。

この写真撮影時におけるエアコンの状態は

  • 消費電力 24W
  • 絶対湿度 16.2g/㎥
  • 温度   21.8℃

という事になっています。この状態は冷房除湿されておらず室温が設定温度に対して下がりきりサーモオフと呼ばれる状態なっていますのでただの送風状態です。

設定温度が28度の冷房運転ではこのような送風状態での稼働時間が非常に長くなります。

その間はエアコン内部に溜まった水分をどんどん吐出しますので非常に湿気った空気を出し続けることになります。

よく全館冷房を検証してみた的な報告をこのようなエアコン設定で拝見しますが、消費電力が少ない!となるのは当たり前です。まともに冷房出来てないはずですから。

いや冷房は効いているのでしょう。一条工務店の家は性能が良いのであっという間に家の中の室温はある程度は下がるのかもしれません。

しかしその実はエアコンによって加湿をし続けているのと同じような事になります。また真夏は外気が湿気っているのでどんどん室内の絶対湿度は上がっていくはず。

全館冷房=全館除湿という考え方には逆行した考え方です。室温のみを見ているので全館冷房がこんなに安い電気料金で出来た!と勘違いしてしまう訳ですね。

本来はもっと快適なはずなのにその良い状態を知らずに過ごしてらっしゃる、とても勿体無いことだと思います。

室温だけじゃなくて湿度もしっかり見ているよ!という方にも落とし穴があったりします。

なぜ一条ユーザーは湿度が高くてもそれで良いと思ってしまうのか?

我が家で使用している温湿度計であるみはりん坊Wを信頼しているのには訳があります。

こちらの記事にてフエッピーさんが温湿度計の正確性について検証されています。

ある程度正確と思われるAND社のみはりん坊Wの相対湿度に対して一条ユーザーが一般的に使われている温湿度計は確実に低く数値が出る傾向にあります。

みはりん坊Wと同じAND社が製作しており、同じように絶対湿度を視認できる温湿度計であるAD-5686との比較で申し訳ないのですがご覧ください。

これだけの事例を見て頂いても分かるように、一条工務店で入居時にプレゼントされる温湿度計の相対湿度は実際の相対湿度よりもおよそ10%程は低く出ます。

ブロガーさんなどがよく使っていらっしゃる外気温も分かる温湿度計のほうが余程正確な数値に近いかなと思います。それでも低めに表示されるようですけどね。

すなわち、ダニの発生を抑えられるラインと言われる相対湿度60%で部屋の湿度を維持できているぞー!と思われている方は実は相対湿度70%の部屋で過ごされているということです。

もちろん「体感」というものは大事です。暮らされている方が快適と感じるのであればそれで良いでしょう。

また喉や肌の調子によっては湿度が高めに設定されていたほうが都合が良い方も居るでしょう。

しかし一条工務店で入居時にプレゼントされる温湿度計が実際とはかけ離れている表示になっていることは是非とも皆さんに知って頂きたいです。

これは冬季において一条工務店の家が過度に乾燥する!と言われる原因でもあるのかな?と思います。

相対湿度40%で乾燥してると思われているその室内は実は相対湿度50%ほどはあるはずなんです。過度な加湿により自然と過加湿の状態を作り上げているのではないかと思います。

まとめ

今回の検証は測定条件が一定でなかったりする為に正確性には欠けるかもしれません。

しかしながら、Rayエアコンの再熱除湿方式を用いたドライ運転では設定温度が低いほうが消費電力が少なく済みそうだという結果になりました。

また、その消費電力につきましては我が家で全館冷房をしている冷房運転の消費電力から考えてもドライ運転は冷房運転の約1.5倍の消費電力で済みそうです。

  • 冷房  23℃ 風量弱 200W
  • ドライ 22℃ 風量弱 300W

この差をどのように感じられるかは人それぞれかと思います。

この100Wという消費電力は1ヶ月使ってもおよそ1,700円ほどの差でしかありません。余剰契約の太陽光発電を採用されている場合は支払う電気代はもっと少なくなるでしょう。

実際に冷房運転にて24時間稼働が出来れば良いのですが、外気温がちょっと下がり気味だったり曇りの日が続いたりの時はあまり気にせずドライ運転に切り替えても良いのではないか?と思います。

ちなみにフエッピーさんの検証によると、さらぽかに関わる消費電力はおよそ700Wになっているということ。

もちろんさらぽかは個室を含めた家全体を満遍なく管理できる点からも違うのですが、それに比べたらドライ運転は臆せずに使えるレベルであることが分かると思います。

今回はフエッピーさんからワットチェッカーを提供頂いたことで、今まで感覚に頼っていたエアコンの挙動を数値という目で見える形で把握することが出来ました。

フエッピーさん、ありがとうございました。